一般媒介で複数の不動産会社に依頼するとどうなる?「たくさん頼めば売れやすい」が逆効果になる理由|合同会社DH

query_builder 2026/08/11
媒介契約

不動産を売却するとき、


「できるだけ多くの不動産会社に頼んだ方が早く売れるのでは?」

「5社、10社と競争させれば、高く売ってくれるのでは?」


と考える方は少なくありません。


確かに「一般媒介契約」には、複数の不動産会社へ同時に売却を依頼できるというメリットがあります。


しかし、ここで注意していただきたいことがあります。


「複数社に依頼できる」ことと、「依頼する会社が多いほど有利」ということは、まったく別の話です。


むしろ、必要以上に多くの不動産会社へ依頼したことで、物件情報が市場に広がりすぎ、結果として売却のチャンスを逃してしまうケースも考えられます。


この記事では、一般媒介契約で多数の不動産会社へ売却を依頼すると何が起こるのか、不動産売却を検討している方にも分かりやすく解説します。

一般媒介契約とは?

「媒介契約」は、次の3種類

不動産会社に売却を依頼するときに締結する「媒介契約」には、主に次の3種類があります。


・一般媒介契約

・専任媒介契約

・専属専任媒介契約


一般媒介契約の大きな特徴は、複数の不動産会社へ同時に売却を依頼できることです。


たとえば、


・A不動産

・B不動産

・C不動産


という3社と同時に一般媒介契約を締結することもできます。


一方、専任媒介契約・専属専任媒介契約では、原則として同時に複数の不動産会社へ媒介を依頼することはできません。


そのため、


「一般媒介なら複数社が競争してくれるから、一番高く売れるのでは?」


と考える方もいるでしょう。


しかし、不動産売却は単純に「営業会社を増やせば成功確率が上がる」というものではありません。

「たくさんの不動産会社に頼めば売れる」は本当?

不動産会社は繋がっています

一見すると、


1社より3社、3社より5社、5社より10社


に依頼した方が、より多くの買主へ物件を紹介してもらえそうに感じます。


しかし、不動産流通には「レインズ」など、不動産会社同士で物件情報を共有する仕組みがあります。


また、不動産ポータルサイトなどを通じて、買主側も多くの物件情報を簡単に確認できる時代です。


そのため、


「依頼する不動産会社を10社にすれば、買主候補も10倍になる」


という単純な話ではありません。


むしろ問題になるのは、


同じ物件情報が、さまざまな会社から大量に市場へ流れることです。


ここから、一般媒介で依頼先を増やしすぎることで起こり得る問題を具体的に見ていきましょう。

一般媒介契約のデメリット

① 物件情報の「希少性」が失われる

不動産売却では「情報の希少性」が重要になるケースがあります。


特に、不動産買取会社や投資家などに物件を紹介する場合、


「まだ広く出回っていない情報」

「限られた会社しか持っていない情報」

「新しく入ってきたばかりの情報」


には注目が集まりやすくなることがあります。


ところが、一般媒介で多数の会社へ依頼すると、


A社からも紹介される。

B社からも紹介される。

C社からも紹介される。

翌日にはD社からも同じ情報が届く。


という状態になることがあります。 すると受け取る側から、


「またこの物件か」

「どこからでも入ってくる情報だな」


と思われてしまう可能性があります。


最初は「新着物件」だったものが、短期間で「よく見る物件」に変わってしまうのです。


これは非常にもったいない状態です。

② 「売れ残っている物件」という印象を持たれる可能性がある

一般消費者に対しても注意が必要です。


たとえば、不動産ポータルサイトを見ていると、同じマンションの同じ部屋や、同じ戸建てが複数の不動産会社から掲載されていることがあります。


売主側からすれば、


「たくさん掲載されている=宣伝効果が高い」


と感じるかもしれません。


しかし、買主側の受け止め方は必ずしも同じではありません。


何度も同じ物件を目にすることで、


「この物件、よく見るな」

「なかなか売れないのかな?」

「何か理由があるのかな?」

「価格が高いのでは?」

「値引きできるかもしれない」


と感じる人が出てくる可能性があります。


つまり、 露出が増えることと、物件の魅力が高まることは別問題 なのです。

③ 不動産会社の販売意欲が分散する可能性がある

ここは売主様にぜひ知っていただきたいポイントです。


不動産会社が物件を販売するためには、さまざまなコストがかかります。


広告を掲載する。

物件写真を撮影する。

販売図面を作成する。

購入希望者へ紹介する。

現地案内を行う。

オープンハウスを実施する。

周辺へ広告を配布する。

取引先の不動産会社へ紹介する。


こうした活動には、人件費・広告費・時間が必要です。


ところが一般媒介では、どれだけ営業活動を行っても、他社で成約してしまう可能性があります。


たとえば、売主が9社へ一般媒介で依頼しているとしましょう。


ある不動産会社が広告費と人件費を使って一生懸命販売活動をしても、残り8社のどこかで成約してしまえば、その会社は仲介手数料を受領できない可能性があります。


そのため会社によっては、


「この物件にどこまで広告費や営業リソースを投入するべきか」


という判断が慎重になることがあります。


依頼会社を増やしたことで営業マン同士が激しく競争してくれると思っていたのに、反対に、


「どの会社にとっても優先順位の高くない物件になる」


という結果になってしまう可能性があるのです。

④ 販売戦略がバラバラになりやすい

不動産を高く、そして条件良く売却するためには「販売戦略」が重要です。


たとえば、


「最初の2週間はこの価格で反響を見る」

「この層を中心に広告する」

「居住用として訴求する」

「投資家にも紹介する」

「一定期間反響がなければ価格を見直す」


など、一貫した戦略を立てる必要があります。


しかし、多数の不動産会社へ依頼すると、


A社は「価格を下げましょう」

B社は「まだ下げる必要はありません」

C社は「買取業者へ紹介しましょう」

D社は「広告を増やしましょう」

E社は「もう少し様子を見ましょう」


という状態になる可能性があります。


では、 誰が売却戦略全体をコントロールするのでしょうか?


依頼会社が増えすぎると、売主自身が各社から届く情報を整理し、販売状況を判断しなければならなくなることがあります。

⑤ 価格や物件情報の見え方が統一されないことがある

複数の会社が広告を行う場合、掲載内容の管理にも注意が必要です。


写真の選び方。

キャッチコピー。

物件の特徴。

おすすめポイント。

掲載媒体。

情報更新のタイミング。


これらが会社ごとに異なる可能性があります。


さらに管理が不十分な場合、価格変更後も古い価格の広告が残ってしまうなど、情報にばらつきが生じる可能性もあります。


買主からすると、


「どの情報が最新なの?」


という状態になりかねません。


売却する不動産は一つなのに、市場での「見せ方」が統一されなくなることは、ブランド価値という意味でも好ましいとは限りません。

⑥ 値下げ交渉の材料を与えてしまう可能性がある

同じ物件を長期間、さまざまな不動産会社から見かけるようになると、


「売主は早く売りたいのでは?」

「かなり苦戦しているのでは?」


と推測する買主が出てくることがあります。


すると、


「もう少し待てば値下げするのでは?」

「大幅な価格交渉ができるのでは?」


と考えられる可能性があります。


本来なら適正価格で十分売却できる物件でも、情報の出し方によって買主側の心理が変わる可能性があるのです。


だからこそ不動産売却では、


「どれだけ広く情報を出すか」


だけでなく、


「どう情報を出すか」


まで考える必要があります。

「10社に依頼すれば10社が競争してくれる」とは限らない

一般媒介を選ぶ方が期待する大きなメリットが「不動産会社同士の競争」

一般媒介を選ぶ方が期待する大きなメリットが「不動産会社同士の競争」です。


確かに競争がプラスに働くケースもあります。


しかし、


依頼会社を増やす=販売力がそのまま足し算される


とは限りません。


仮に10社へ依頼したとしても、


「10社がそれぞれ100%の力で販売する」


とは限らないからです。


むしろ重要なのは、


「この物件を本気で売ってくれる会社が何社あるのか?」


ということです。


依頼社数よりも、各社がどのような販売戦略を持ち、どの程度の営業活動を行うのかを見る必要があります。

一般媒介契約そのものが悪いわけではありません

一般媒介契約にもメリットがあります

ここまで読むと、


「それなら一般媒介は選ばない方がいいの?」


と思われるかもしれません。


そういうことではありません。


一般媒介契約にもメリットがあります。


複数の不動産会社へ依頼できること自体が有効になるケースもありますし、不動産の種類・エリア・売主の事情によって適切な媒介契約は異なります。


問題なのは、


「一般媒介なら、とにかくたくさんの会社へ頼んだ方がいい」


と考えてしまうことです。


一般媒介を選択するのであれば、依頼する会社の「数」だけでなく「質」や「役割」を考えることが重要です。

一般媒介は何社くらいに依頼すればいい?

選び方は慎重に考えた方がよいです

「では何社までなら大丈夫ですか?」


という質問をいただくことがあります。


これについて、一律に「○社が正解」と断定することはできません。


物件の種類、価格帯、エリア、売却理由、販売期間などによって適切な方法は異なるからです。


ただし、少なくとも、


「多ければ多いほど有利」


という考え方はおすすめできません。


たとえば3社へ依頼する場合でも、


「なぜこの3社なのか」


を説明できる状態が理想です。


エリアに強い会社。

マンション売却に強い会社。

投資用不動産に強い会社。

買取業者とのネットワークが強い会社。


それぞれに明確な役割があるなら、複数社へ依頼する意味があります。


反対に、


「とりあえず査定してくれた会社全部に頼む」


という選び方は慎重に考えた方がよいでしょう。

すでに多数の不動産会社へ一般媒介で依頼している場合は?

一度現在の販売状況を整理してみましょう

すでに5社、7社、10社など多数の不動産会社へ依頼している方は、一度現在の販売状況を整理してみましょう。


確認したいのは次のようなポイントです。


・どの会社が実際に問い合わせを獲得しているか

・内覧は何件入っているか

・購入検討者からどのような意見が出ているか

・広告掲載先はどこか

・同じポータルサイトへ何社が掲載しているか

・不動産会社への紹介活動は行われているか

・販売価格は適正か

・価格変更の提案に根拠があるか

・各社から定期的な報告があるか

・誰が販売戦略を主導しているか


重要なのは「何社に依頼しているか」ではありません。


その結果、実際にどのような販売活動が行われているかです。

査定額が高い会社を増やせば高く売れるわけでもない

一般媒介と併せて注意したいのが「査定額」です

一般媒介と併せて注意したいのが「査定額」です。


一括査定などを利用すると、


A社「5,000万円」

B社「5,200万円」

C社「5,500万円」

D社「5,800万円」


など、査定価格に差が出ることがあります。


すると、最も高い査定を出した会社を中心に複数社へ依頼したくなるかもしれません。


しかし、


査定価格=実際に売れる価格


ではありません。


査定価格が高くても、その価格で購入する買主が現れなければ成約には至りません。


重要なのは、


「なぜこの価格なのか?」

「どのような販売戦略で買主を探すのか?」

「過去の成約事例はどうなっているのか?」


まで確認することです。

不動産売却は「情報をばら撒くこと」ではなく「情報をコントロールすること」

売却開始時の戦略設計が重要

ここがこの記事で最もお伝えしたいポイントです。


不動産売却では、


情報を広げれば広げるほど売れる


とは限りません。


大切なのは、


誰に、いつ、どの価格で、どのように物件情報を届けるのか。


つまり「販売戦略」です。


最初から無計画に情報を大量に出してしまえば、後から情報の希少性を取り戻すことは簡単ではありません。


だからこそ、売却開始時の戦略設計が重要なのです。

「売れないから不動産会社を増やす」は一度立ち止まって考える

状況を悪化させてしまうケースも考えられます

物件がなかなか売れないと、


「もっと不動産会社を増やそう」


と考えたくなるかもしれません。


しかし、その前に確認すべきことがあります。


売れない原因が、


「依頼している会社が少ないこと」


とは限らないからです。


販売価格なのか。

広告写真なのか。

物件の見せ方なのか。

ターゲット設定なのか。

内覧対応なのか。

販売戦略なのか。


原因を分析せず会社数だけ増やしても、問題が解決しない可能性があります。


むしろ情報だけがさらに市場へ広がり、状況を悪化させてしまうケースも考えられます。

一般媒介と専任媒介、結局どちらがいい?

これは物件ごとに判断すべき

これは物件ごとに判断すべきです。


一般媒介が適している物件もあれば、専任媒介で一社に販売戦略を任せた方が効果的な物件もあります。


重要なのは、


「一般媒介と専任媒介のどちらが優れているか」ではありません。


重要なのは、


「自分の不動産を売るために、どの販売方法が適しているか」


です。


媒介契約を選ぶこと自体が目的になってはいけません。


最終的な目的は、


大切な不動産を、納得できる条件で売却すること


だからです。

よくある質問(FAQ)

Q1. 一般媒介は何社まで依頼できますか?

一般媒介契約では複数の不動産会社へ依頼できます。


ただし、「依頼できるから多いほど良い」というわけではありません。


各社の役割や販売戦略を確認して選ぶことが重要です。

Q2. 一般媒介で10社に依頼するのは多すぎますか?

物件によって異なるため一概には言えませんが、10社に依頼することで情報の希少性、広告管理、販売戦略の統一などに問題が生じる可能性があります。


会社数を増やす目的を明確にすることが重要です。

Q3. 一般媒介なら高く売れますか?

一般媒介だから高く売れる、専任媒介だから安くなる、という単純な関係ではありません。


価格設定や販売戦略、物件そのものの需要など複数の要素によって成約価格は決まります。

Q4. 同じ物件を複数の会社が広告しても問題ありませんか?

一般媒介では複数社が広告することがあります。


ただし、同じ物件が多数掲載されることで、買主に「長期間売れていないのでは」と受け取られる可能性も考慮する必要があります。

Q5. 不動産会社を競争させた方がいいのでは?

適度な競争がプラスに働くケースはあります。


しかし会社数を増やしすぎると、自社で成約できる可能性が下がるため、会社によっては広告費や営業活動を投入しにくくなる場合があります。

Q6. 一般媒介で売れない場合は会社を増やすべきですか?

まずは売れない原因を分析することをおすすめします。


価格、広告、写真、ターゲット、販売戦略など、会社数以外に原因がある可能性があります。

Q7. 専任媒介に変更した方がいいですか?

必ず変更すべきとは限りません。


現在の販売状況を分析した上で、一般媒介を継続するのか、依頼先を整理するのか、専任媒介へ変更するのかを判断することが重要です。

まとめ

不動産売却で重要なのは「依頼する会社の数」ではなく「販売戦略」

一般媒介契約には、複数の不動産会社へ売却を依頼できるという大きな特徴があります。


しかし、


「たくさんの会社へ依頼すれば、それだけ高く・早く売れる」


とは限りません。


依頼先を増やしすぎることで、 物件情報の希少性が低下する。


同じ物件が市場に大量に掲載される。 売れ残っているように見える。


不動産会社の販売意欲が分散する。


販売戦略がバラバラになる。


価格交渉を受けやすくなる。


といった問題が生じる可能性があります。


不動産売却で本当に大切なのは、


「何社に依頼したか」ではなく、「どのような戦略で売却するか」です。


不動産は、一つとして同じものがありません。


立地、築年数、価格帯、物件種別、売却理由、住宅ローン残高、売却希望時期などによって、適切な売却方法も変わります。


だからこそ、


情報をただ広くばら撒くのではなく、物件の価値を理解した上で、適切な相手へ、適切なタイミングで情報を届ける。


この考え方が重要です。


「現在、一般媒介で複数の不動産会社に依頼しているが売れない」

「一括査定後、何社に依頼すればいいのか分からない」

「専任媒介に変更した方がいいのか迷っている」

「今の販売方法が本当に正しいのか確認したい」


このようなお悩みがある場合は、合同会社DHまでお気軽にご相談ください。


現在の販売状況を整理した上で、単に「媒介契約を取りたい」という視点ではなく、その不動産にとってどのような売却戦略が適しているのかを考えることが大切です。


不動産売却は、情報量の勝負ではありません。


情報の「質」と「出し方」、そして販売戦略の勝負です。

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合同会社DH

住所:東京都中野区若宮1丁目29−1

電話番号:03-6820-7428

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